テンション・リダクション効果

営業力を強化する心理テクニック#18
テンション・リダクション効果

「相棒」という刑事ドラマがあります。水谷豊氏扮する杉下右京という刑事が活躍するアレです。このドラマは刑事コロンボのオマージュといわれ、その一端が立ち去り際の“決めセリフ”に表れています。いずれも次の決めセリフの後、犯人がボロを出して事件が解決に向かう… これが定番パターンになっています。

「あとひとつだけよろしいですか?」(Just one more thing.)

さて、本題はここからです。 実はこの決めセリフには心理テクニックが使われています。それが「テンション・リダクション効果」です。人は何かの行動をしているとき、緊張状態にあります。しかし、その緊張状態から解放されると無防備な状態に陥ります。この無防備な状態が「テンション・リダクション」です。

では、テンション・リダクション効果をいかにセールスで応用するか?
テンション・リダクション効果を応用すれば、 契約直後にさらに売上単価を引き上げられるのです。 見込客にとって商品・サービスの購入を決断するまでは緊張状態が続きます。(価格が高いものほど、その緊張状態も高いものになり、テンション・リダクション効果も大きくなる)

しかし、ひと度、購入を決断すると、途端に緊張状態から解放されます。そこですかさず、

「ちなみに、××という関連商品・サービスがあるのですが、こちらもいかがですか?」

と同時購入を提案します。すると、テンション・リダクション効果で“ついで買い”してもらいやすくなるわけです。ポイントは購入を決断した商品・サービスより“安い”ものを提案することです。

例えば、あなたが保険営業マンだったとします。今まさに月額20万円の保険に加入してもらいました。そこですかさず、「ちなみに、××という保険がありまして、これに加入することで××もできるようになるのですが、いかがですか?」と月額5千円の保険を同時提案します。

なにしろ月額20万円の保険を決断した後の月額5千円の保険です。コントラスト効果も働いて、これくらいたいした保険料ではないと感じるのが“人の性”です。一定確率で加入してもらえるでしょう。

テンション・リダクション効果をセールスに応用する方法は簡単です。契約が決まった後に、“ついで買い”してもらうための商品・サービスを用意しておくこと。それに併せたセールストークを考えておくことです。それだけで、さらに売上単価を引き上げられます。

ぜひあなたのセールスに、この心理テクニックを採り入れてください。