営業力を強化する心理テクニック#2
カチッサー効果
人に何かを依頼するときは「理由」を付けると承諾の確率が上がります。これを「カチッサー効果」といいます。カチッサーの語源はテープレコーダーの再生ボタンのカチッという音と砂嵐のサーという音に由来します。社会心理学の名著『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』にはコピーを取っている人に先に使わせてもらえるよう次の3パターンで依頼した実験の一説があります。
- 「先にコピーを取らせていただけますか?」
- 「急いでいるので、先にコピーを取らせていただけますか?」
- 「コピーを取らなければいけないので、先にコピーを取らせていただけますか?」
この実験の結果の承諾率は以下のとおり。つまり、人に何かを依頼するときは「××してもらえますか?」と単に依頼するよりも、「××なので、××してもらえますか?」と理由を付けて依頼した方が承諾されやすいということです。それが、たとえ【C】のような“適当な理由”であっても、です。
- 60%
- 94%
- 93%
ではこの事実をセールスにどう活かせるのか?
例えば、新規開拓で集客オファーとして小冊子を無料プレゼントするケースです。「この小冊子を無料で差し上げます」と単にオファーするより、「この小冊子は取引先だけに配布していたのですが、28部余りが出たので無料で差し上げます」と理由を付けた方がレスポンスが高くなるわけです。
とりわけ、セールスで重要なのは次の5つの理由を考えることです。
- なぜ私が買わなければいけないのか?
- なぜあなたから買わなければいけないのか?
- なぜその商品・サービスなのか?
- なぜその価格なのか
- なぜ今なのか?
なぜなら、この5つの疑問に対する「答え」は見込客が商品・サービスを購入する前に必ず探すものだからです。ぜひこの5つの理由を見込客目線で考えるようにしてください。