営業力を強化する心理テクニック#12
認知不協和
人は自分の考えと矛盾した考えが生まれると不快に感じる生き物です。ゆえに、その不快な状況から逃がれるために自身の考えや行動を変えて、何とか自分を納得させようとします。このような心理現象を「認知不協和」といいます。要は、自分の都合の良いように自己正当化するということです。
例えば、高額商品を購入した後です。「自分の選択は正しかった」という認知と「この商品は素晴らしい」という認知は協和します。しかし、「この商品には欠陥がある」という認知は不協和を起こします。ゆえに、その矛盾を解消するため「この商品は素晴らしい」という情報が得られるまで探したり、「でもこの商品のここは素晴らしい」と他の長所を挙げて自分を納得させようとするわけです。
この事実は購入後のアフターフォローのヒントになるのではないでしょうか。
では、認知不協和をセールスにはどう活かせばいいのか?
セールスでは意図的に認知不協和を作り出して、見込客の行動を促すことができます。具体例を挙げましょう。もしあなたが個人事業主で国民健康保険料は削減できないと思っているとしましょう。今のあなたの認知は【国民健康保険料は削減できない】です。
そんなとき、ある営業マンから【国民健康保険料を最大68.6万円も削減できる方法がある】を教えてもらいました。すると、これまでの【国民健康保険料は削減できない】という認知と不協和することになり、何とかその矛盾を解消しようと試みます。具体的には、その営業マンから詳しく話を聞いてみることでしょう。
不協和の状態でこれまでの認知と矛盾する認知を提示されると、人は受け入れ易くなる傾向にあります。従って、ここで正しい解決策を提示することができれば、おのずと成約率は高くなります。
認知不協和をセールスに応用するポイントは2つの矛盾する認知を持ち出すことです。これまで見込客が常識と思っていた認知と矛盾する新しい認知をセールスの【切り口】として考えてみましょう。
この心理テクニックをぜひあなたのセールスに採り入れてください。