会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

今回は、「会社と個人、どちらにお金を残した方が有利なのか?」というテーマについてです。 このテーマについてはよく聞かれるものですが、ホントのところはどうなのか。次のとおり、「税金」の観点では「会社」にお金を残した方が有利です。今後も国の政策として「個人課税」を強化する一方、「法人実効税率」は20%台を目標にすると言われていますので、この傾向はますます顕著になると予測されます。

実効税率(法人) 所得+住民税(個人)
課税所得 税率 課税所得 税率
400万円以下 21.42% 695万円以下 30%
800万円以下 23.20% 900万円以下 33%
800万円超 33.80% 1,800万円以下 43%
4,000万円以下 50%

さらに、ここに「社会保険料」がプラスされます。平成31年3月納付分以降は労使合計で 29.930%です。オーナー企業なら会社負担分も社長が負担しているのも同然です。そう考えると、役員報酬にかかる「税金」と「社会保険料」の負担率はかなりのものになります。実際に、この点を検証してみましょう…




1人社長の役員報酬シミュレーション

例えば、売上2,000万円の1人社長の法人で【役員報酬1,500万円】と【役員報酬750万円】とで、「それぞれ会社と社長の手元に残るキャッシュがどうなるか?」についてシミュレーションしてみましょう。シミュレーションには【別会社を“現金製造機”にする方法】に付属している簡易計算ソフトを使います。

役員報酬1,500万円(改定前)

まずは【役員報酬1,500万円】を見ていきます。ご覧のとおり、税・社会保険料は4,693,010円になり、可処分所得は10,306,990円になります。報酬に対する税・社会保険料のコスト負担率は31.3%です。

会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

役員報酬750万円(改定後)

次に【役員報酬750万円】を見ていきます。ご覧のとおり、税・社会保険料は1,911,585円になり、可処分所得は5,588415円になります。報酬に対する税・社会保険料のコスト負担率は25.5%です。
会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

改定前と改定後の損益計算書(P/L)

報酬を下げれば、その分だけ税・社会保険料も下がります。しかし、同時にその分だけ、法人の課税所得金額が上がることになります。従って、その点を踏まえて、「どちらがより多くのお金を残せるのか?」という点が重要になってきます。法人の損益計算書(P/L)を見てみましょう。

ここでは説明を簡略化するため、法人の消費税は考慮しておりません。また、損益計算書上の売上原価・販売管理費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失・繰越欠損金はないものとします。

ご覧のとおり、【役員報酬1,500万円】(改定前)の営業利益は3,458,990円になり、これがそのまま課税所得金額になります。結果、税金計は824,100円になり、可処分所得は2,634,890円になります。この可処分所得が法人に残るキャッシュです。

一方、【役員報酬750万円】(改定後)の営業利益は11,389,115円になり、これがそのまま課税所得金額になります。結果、税金計は3,551,100円になり、可処分所得は7,838,015円になります。この可処分所得が法人に残るキャッシュです。

会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

シミュレーション総括

オーナー企業では社長のサイフと会社のサイフは表裏一体です。それゆえ、「会社と個人、どちらにお金を残した方が有利なのか?」というテーマが議論されるわけですが、そのひとつの「答え」がこのシミュレーンによって明らかになります。以下をご覧ください。

会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

これは社長と会社の可処分所得を合算したものです。【役員報酬1,500万円】(改定前)の可処分所得(個人+法人)は11,400,870円になります。

一方、【役員報酬750万円】(改定後)の可処分所得(個人+法人)は12,315,545円になります。両者の「差」を計算すると、914,675円です。

この「差」が手元に残るキャッシュの違いになります。すなわち、【役員報酬750万円】(改定後)の方がより多くのキャッシュが手元に残ることになるわけです。(会社により多く残した方が有利である)

まとめ

以上のように、オーナー社長が手元キャッシュを最大化したいと思ったら、個人よりも会社により多くのキャッシュを残した方が有利になるわけですが、実はオーナー社長なら誰でも実践できるかんたんな方法を使って、そこからさらにキャッシュを増やせる方法があります。そのロジックを解説したのが【別会社を“現金製造機”にする方法】です。ご興味がある方はぜひ以下をチェックしてみてください。




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1973年、神奈川県生。早稲田大学商学部卒業後、大手国内生保から外資系保険会社を経て、平成17年7月に営業支援会社「株式会社おまかせホットライン」を創業。創業以来一貫してダイレクトマーケティングを実践し、DM・FAXDM・WEB媒体を駆使した売らずに売れる「仕組み」の構築を得意とする。そのノウハウを公開する自社セミナーは毎回キャンセル待ちになるほど盛況を誇る。