中小企業の7割が赤字という事実~そもそもなぜ赤字なのに潰れないのか?

中小企業の7割が赤字という事実~そもそもなぜ赤字なのに潰れないのか?

ご存知のとおり、我が国の中小企業のおよそ7割は赤字企業です。今回はこの赤字企業について考えてみましょう。「赤字」と聞くと、支出が収入より多い状態です。ふうつなら会社は潰れてしまいます。しかし、実際にはそうとも限りません。「7割」という数字はその事業年度において税務署に“赤字申告”した中小企業の割合に過ぎないからです。どういうことか説明を加えましょう…




赤字企業には2種類ある

つまり、中小企業の「7割」は赤字といっても、「実際は儲かっているけど、税法ルール上は儲かっていないように見える企業」も多分に含まれている、ということです。(逆に、黒字企業の中には実際は儲かっていないけど、金融機関からの融資などの問題で利益が出ているように見せているケースもあります)

このことから赤字企業には2種類あると分かります。

  • 実際に儲かっていない企業
  • 実際は儲かっているけど、儲かっていないように見える企業

ならば、【実際は儲かっているけど、儲かっていないように見える企業】とはどういうことかを見ていきましょう。そういう企業には大きく2パターン考えられます。

1.欠損金の繰越控除で赤字になっている

例えば、赤字企業には直近の決算では黒字であっても、過去に赤字があって、その繰越欠損金で最終的に赤字申告している企業も含まれています。事実、財務省によると、赤字法人の約4割はその事業年度においては所得(利益)が出ているが、欠損金の繰越控除で赤字になっているとされています。

欠損金の繰越控除とは

欠損金の繰越控除とは、青色申告書を提出した法人は、その事業年度に生じた欠損金額について、翌期以降10年間(2018.3.31開始の事業年度までは9年間)の所得金額から控除できる制度です。例えば、欠損金額をその後の事業年度の所得から控除することができます。

事業年度 事業年度の損益 課税所得
2019.3.31 (-)500万円 0
2020.3.31 (+)300万円 0
2021.3.31 (+)200万円 0

 No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

2.役員報酬を多めに取っている

また、赤字企業で一番多いのは法人側で所得(利益)を残さないよう、役員報酬で調整しているパターンでしょう。つまり、会社で税金を払いたくないから役員報酬を多めに取って「赤字」にしているわけです。

「赤字」でもキャッシュが回っていれば会社は倒産しません。「赤字」なら会社の内部留保は増えませんが、役員報酬を多く受け取って社長に貯蓄があれば、会社の資金繰りには困りません。資金繰りに困ったら「役員借入金」という名目で社長が会社に資本注入できるからです。

役員借入金とは

会社が社長(役員)から借りた金銭のことです。中小企業では会社のキャッシュが足りなければ社長(役員)の個人資産を注入することが多々あります。それが「役員借入金」です。「増資」ということで会社にキャッシュを注入することもできます。しかし、「増資」ではそのキャッシュを取り戻す方法が役員報酬の増額等に限定され、余計な税・社会保険コストを発生させることになります。そのため「役員借入金」として会社に貸し付けた方が都合が良いのです。

まとめ

問題は「2」の役員報酬を多めに取って赤字にしているパターンです。なぜなら、「会社で税金を払いたくない」と考えるばかりに、かえって「損」しているかもしれないからです。これでは本末転倒です。

赤字企業の大多数はオーナー企業です。そして、オーナー企業では会社のサイフも社長のサイフも表裏一体の関係です。重要なのは「いかにして1円でも多くのキャッシュを残すか?」という点です。その点からいえば、税・社会保険コストを考えると、往々にして会社にキャッシュを残しておいた方がトクなのです。

 会社と個人、より多くのお金が残るのは?~役員報酬最適化シミュレーション

ただし、「個人」の報酬を下げると、その分だけ「法人」の課税所得が上がり、そのままでは税金で持っていかれてしまいます。それが嫌だからこそ、多くの中小企業では役員報酬を多めに取って「赤字」にしているわけですが、もし「法人」の税金を低く抑えることができたなら、どうでしょう?

それが本当に可能なら、その企業はさらに手元に残るキャッシュ(個人+法人)を増やせますよね。実際それは可能なのです。その方法をステップ・バイ・ステップで解説したのが以下の「実務コンテンツ」です。ご興味がある方はぜひ以下をチェックしてみてください。




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1973年、神奈川県生。早稲田大学商学部卒業後、大手国内生保から外資系保険会社を経て、平成17年7月に営業支援会社「株式会社おまかせホットライン」を創業。創業以来一貫してダイレクトマーケティングを実践し、DM・FAXDM・WEB媒体を駆使した売らずに売れる「仕組み」の構築を得意とする。そのノウハウを公開する自社セミナーは毎回キャンセル待ちになるほど盛況を誇る。