営業マンもDMもその目的は同じ。セールスです。手段が人か紙かの違いだけです。しかし、DMには営業マンにはないメリットがあります。まずDMなら“自ら進んで買いたい”という見込客の望む方法でセールスすることができます。次に、DMなら一度に大量の見込客にセールスすることが可能です。一度に千人にアプローチすることも、1万人にアプローチすることもできるのです。
そして最後に、DMなら“あなたの時間と労力の壁”を超越してくれます。365日24時間年中無休で、あなたの分身になって、あなたの知らないところで、何千、何万という見込客にセールスしてくれるのです。(※ノーダメージであなたの代わりに断られてもくれます)
営業マンの雇用経験がある方ならお分かりでしょう。何の不平不満も言わない。教育も必要ない。人件費も社会保険料もかからない。待遇改善も有給も必要ない。それでいてキッチリ成果を上げてくれる。―― まさにDMは紙の上の最強営業マンです。
これから6回に分けてそんな最強営業マンの作り方をお教えします。
36倍売れる!DMの書き方と作り方②~セールスレター必勝テンプレート
36倍売れる!DMの書き方と作り方③~キャッチコピーとオープニング文例
36倍売れる!DMの書き方と作り方④~セールスレター本文は5つに分けて攻略
36倍売れる!DMの書き方と作り方⑤~クロージングコピーと追伸のテンプレート
36倍売れる!DMの書き方と作り方⑥~セールスレター7つの編集手順
DMパッケージの重要ポイント
売れるダイレクトメール(以下、DM)はひとつのパッケージで考えます。パッケージとは、すなわち、営業マンのセールスを再現したものです。従って、DMに同梱する資材、及びその封入手順(資材を封入する順序)も営業マンのセールスをイメージして行います。
DMパッケージのコンテンツを考えるうえでの重要ポイントは3つあります。
- ワンセールス・ワンアイテムにする
- 情報を詰め込みすぎない
- 実際のセールスを再現する
1.ワンセールス・ワンアイテムにする
セールスでは「二兎を追う者は一兎をも得ず」です。DMも同じ。一度のセールスでは1つの商品(サービス)に絞る。売れるDMにするならこのポイントを外さないことです。「どうせDMを送るならあれも、これも案内しよう」と欲張ると、いたずらにお客様を迷わせて結局どれも不発に終わってしまうからです。
2.情報を詰め込みすぎない
DMにコンテンツを詰め込みすぎるとお客様は消化不良になってしまいます。例えば、以前とある健康食品会社から無料サンプルを取り寄せたときのこと。そのDMには「商品説明DVD」「セールスレター」「小冊子」「カタログ」「会社案内」「ニュースレター」「お客様の声」などのコンテンツが同梱されていました。しかし、これでは逆に見る気が失せてしまいます。本当に伝えたい焦点もピンボケしてしまいます。
3.実際のセールスを再現する
これは意外と疎かにされているポイントです。実際のセールスの場面をイメージしてみてください。例えば、封入の順番です。封筒を開けたら最初に申込書が入っていた。これはセールスでいうと、何の商品説明もなしで、いきなりクロージングしているようなものですよね。DMも同じです。例えば、こんな感じで実際のセールス手順を想定し、その順番どおりに資材を封入するわけです。
「送付状」:あいさつする 「セールスレター」:セールスする 「よくある質問」:購買抵抗を減らす 「会社概要/プロフィール」:購買抵抗を減らす 「申込書」:クロージングする
DMパッケージの鉄板コンテンツ
DMパッケージの同梱資材について、ひとつひとつポイント解説を加えていきます。「自分のビジネスにどう応用できるか?」という視点でお読みください。以下に挙げるのはDMパッケージの鉄板コンテンツです。それぞれのコンテンツが「どのように機能するのか?」を解説していきましょう。
- 発信封筒(角2封筒)
- 送り状(カバーレター)
- セールスレター
- 補助ツール(パンフレット・お客様の声・よくある質問など)
- 会社案内(プロフィール)
- 申込書(レスポンスデバイス)
- 返信封筒(ケース・バイ・ケースで同梱)
発信封筒(角2封筒)
発信封筒には角2封筒がオススメです。理由は3つあります。第一に、目立つからです。DM封筒では長3封筒が圧倒的主流です。そんな中、サイズが大きいというだけで他のDMとの差別化が図れます。
第二に、封筒サイズが大きいのでDMにより多くの情報量を掲載できるからです。情報量の多さは成約率に比例します。第三に、角2封筒は作業の効率化が図れるからです。DMには数種類の資材を封入します。いずれもサイズはA4用紙ですが、角2封筒ならそれらを「折り加工なし」で封入できるわけです。
送付状(カバーレター)
カバーレターやリフトレターとも呼ばれますが、セールスでいうと「冒頭のあいさつ」のようなものです。送付状では「なぜ今回あなたにDMを送ったのか?」「このDMは何なのか?」「このDMを読んでどうしてほしいのか?」について簡潔に書くようにします。
良くある間違いですが、送付状は「拝啓、時下ますます~」なんて社交辞令的な「あいさつ」を読ませるのが目的ではありません。その目的は1つです。DMの中身を読んでもらうよう促すことです。
セールスレター
DMパッケージの主役です。セールスレターとは営業マンのセールストークを「紙」に再現した手紙文です。セールスレターでは見込客の次の5つの疑問に答えるように書くことが重要です。
- なぜあなたにすすめるのか?
- なぜ私があなたから買わないといけないのか?
- なぜこの商品・サービスなのか?
- なぜこの価格なのか?
- なぜ今すぐ買わないといけないのか?
人は自分の行動に納得するとき必ずその「理由」を必要とします。購買行動でも同じ。ここに挙げた5つの「なぜ?」はまさしくその「理由」なのです。セールスレターが複数ページに及ぶときは片面印刷にし、左上部分をホチキス止めします。両面印刷にすると反応が下がるためです。
稀にセールスレターが同梱されていないDMを目にします。しかし、それでは期待する成果は上がりません。見込客が買うべき「理由」を見つけられるようDMパッケージには必ずセールスレターを同梱するようにしましょう。
補助ツール(パンフレット・お客様の声・よくある質問など)
DMパッケージには補助ツールを同梱すると効果的です。補助ツールとは「パンフレット」「お客様の声」「よくある質問」などの同梱物をいいます。その役割は2つです。ひとつは「見込客の購買意欲を増やす」こと、もうひとつは「見込客の購買抵抗を減らす」ことです。この2つの役割を果たす補助ツールをケース・バイ・ケースで同梱していきます。
例えば、DMパッケージに「よくある質問」を同梱すれば、見込客の購買抵抗を減らせます。あらかじめ商品・サービスに関して想定される疑問に答えることで、行動に対する障害を取り除くわけです。
会社案内(プロフィール)
得体の知れない会社(個人)から商品・サービスを購入する人はいませんので、DMパッケージには会社案内(プロフィール)を同封しておきます。会社案内(プロフィール)の内容は会社情報の他、プロフィールも掲載しておきます。その際は「この人なら悩みや問題を解決してくれるかも」と見込客に思わせるようなプロフィールにすることが重要です。
あなたが見込客なら「どのような人から商品(サービス)を買いたくなるのか?」を箇条書きにして考えてみてください。要は、そのイメージに近い自分を演出するのです。(※嘘はダメです)
申込書(レスポンスデバイス)
DMパッケージの最終目的はひとつです。申込書を返信してもらうことです。他のすべての同梱物はこのために存在します。そのため申込書は他の同梱物と紙の種類を変える(厚紙にする)、カラー刷りにするなどして、ひときわ目立つように作成します。
ちなみに申込書を作るとき意識すべきことがあります。申込書はこの5点を意識するように作ってみてください。
- 単独でも機能するか? … オファーを繰り返しているか。
- 簡単か? … 記入項目が多すぎないか。複雑すぎないか。
- 記入しやすいか? … 記入欄が小さすぎないか。狭すぎないか。
- 記入後の指示はあるか? … 記入が終わったらどうすればいいのか。
- 返信方法は明快か? … 連絡先は目立つようになっているか。
まとめ
以上が売れるDMパッケージの作り方です。「ネット隆盛の今、DMなんて効果があるのか?」とお思いの方もいるかもしれません。しかし、脳科学実験ではDMはその他の広告媒体に比べて“訴求力”に優れていることが判明しています。DMを受け取った見込客は他の広告媒体よりパーソナルな印象を持ちます。ゆえに、そのメリットを意識したDMを作成すれば必ず成果につながります。
脳科学実験で判明したダイレクトメールの4つの新事実とその優位性
DMパッケージで重要なのは受け取る見込客の購買心理に沿ったコンテンツを同梱することです。「DMを販売促進や新規開拓に活用したい。でもDMの中身をどうすればいいのか?」と悩んでいた方は今回ご紹介した鉄板コンテンツを同梱してみてください。