成約率アップに貢献!見込客の不安材料を取り除く営業ツールの作り方

成約率アップに貢献!見込客の不安材料を取り除く営業ツールの作り方

見込客の不安材料を取り除いて成約率アップに貢献してくれる営業ツールの作り方をご紹介します。その営業ツールとは「よくある質問」です。英語では「FAQ」と呼ばれます。「よくある質問」とはお客様から寄せられる質問とその回答を集めた営業ツールのことです。よくホームページで見かけるあれです。

「よくある質問」とはお客様からの質問に答える形式で、商品・サービス、使用方法・導入方法、メリット・デメリット、価格(料金)、使用上の注意点などをまとめた営業ツールをいいます。

 
しかしながら、対面セールスではパンフレットや提案書は持参しても、「よくある質問」を紙ベースの営業ツールとして活用しているケースはあまり見かけません。正直いって、「やれば必ず成約率はアップするのになぜやらないのか?」と不思議に感じます。

ではなぜ、「よくある質問」が成約率アップに貢献してくれるのか?
それは、見込客の不安材料を取り除いてくれる効果があるからです。衝動買いできる低価格なものでない限り、誰もが商品・サービスを購入するときは「欲しい!」と「でも…」の間で揺れ動くものです。人は「感情」で行動して「理屈」で行動を正当化しようとするからです。

当然、そのとき「欲しい!」よりも「でも…」が勝ってしまえば購入してもらえません。ゆえに、セールスでは商品・サービスの購入にあたって見込客が抱く疑問や不安に対して先回りして回答することで、見込客の「でも…」を取り除いておく必要があるわけです。

その手助けをしてくれるのが「よくある質問」という営業ツールです。




営業ツールとしての「よくある質問」の使い方

右のように「よくある質問」は単独の営業ツールとして作成することをおすすめします。使い方は様々です。

例えば、対面セールスなら、プレゼンの最後に見込客に「他に何かご質問はございますか?」と切り出します。

そうして次のように「よくある質問」を手渡します。

営業ツールとしての「よくある質問」の使い方

「今回ご提案の商品・サービスについて日頃お客様から寄せられるよくある質問とその回答をこちらにまとめてございます。後ほどご確認ください」

またあるいは、DMに同封する。WEB媒体に掲載する。メルマガやニュースレターのコンテンツとして掲載するなど、「よくある質問」はあらゆる営業シーンで活躍してくれます。ぜひあなたも今からご紹介する手順で「よくある質問」を作ってセールスに活用してください。

成約率アップに貢献する「よくある質問」とは?

「よくある質問」は単にお客様からの質問への回答を羅列しただけでは意味がありません。それでは見込客の疑問は解消できても、成約率アップに大きくは貢献してくれないからです。例えば、同じ質問への回答にしても、次の回答Aと回答Bとでは、どちらが成約率アップに貢献してくれるかは明らかでしょう。

質問例   電話やメールで相談できますか?
回答A   はい、可能です。下記までお気軽にご相談ください。

(連絡先:電話番号・メールアドレス)

回答B   はい、可能です。当事務所では_____の悩みや問題を解決したい方のために電話・メール無料相談を受けて付けております。ご利用いただいた方からは「相談できてよかった」「簡単で便利」とご好評いただいております。

お電話でのご相談は平日午前9時から午後5時まで、メールでのご相談は24時間年中無休で受け付けておりますので、下記までお気軽にご相談ください。

■電話・メール相談のメリット

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■電話・メール相談で承ることのできる相談内容

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(連絡先:電話番号・メールアドレス)

成約率アップに貢献する「よくある質問」の具体例

具体例を挙げましょう。先日、近所のスーパーでよく出来た「集客小冊子」を見つけました。その小冊子は家庭教師の「無料体験授業」をオファーするもので、その中に次のような「よくある質問」が掲載されていました。ざっとお読みになってみてください。

 無料体験授業についての「よくある質問」

(Q) 体験授業の日時はどうやって決めるの?
(A) ご家族のご希望に合わせてお伺いさせていただきます。×××××(家庭教師派遣会社名)の無料体験授業では土日はもちろん、祝日も行っています。時間帯も部活や習い事が終わる時間(19時~など)に合わせられますので遠慮なくおっしゃってください。

(Q) 食事やお茶は出した方がいいの?
(A) いいえ、必要ありません。お気遣いはなさらないでください。ただ、それでお子さんの緊張がほぐれる場合もありますので、ご家庭の状況に合せます。

(Q) 子供が嫌がってるんですが、どうしましょう…
(A) 私たちにおまかせください。ほとんどのお子さんがはじめは嫌がりますが、そういうお子さんほど体験授業をきっかけに驚くようにやる気になってくれることが多いんです。人見知りのお子さんでも、無理に話を聞くようなことはありませんので、ご安心ください。「楽しかった」と思ってもらえるよう、私たちも工夫して授業を進めていきます。

(Q) 兄弟(姉妹)と一緒に受けても大丈夫かしら?
(A) はい、ご家族でぜひ体験してください。2人同時指導プランは人気の指導です。学年が離れている場合でも聞くだけで勉強の役に立つお話をさせていただきますので、ぜひご兄弟がいらっしゃる場合は一緒に体験してみてください。お子さん一人ひとりの状況を細かく伺って二人のご希望に合わせることができるのでおまかせください。

(Q) 体験授業だけで受けてもいいの?
(A) もちろん大丈夫です。体験を受けるご家庭の多くが「他と比べてみたい!」「勉強のきっかけ作りに…」など、目的はさまざまです。私たち**(家庭教師派遣会社名)の指導法に共感して「やってみたい!」と思ってもらえた時だけ一緒にがんばっていきたいと思っていますので、ぜひ試してみてください。

お子さんやご家庭のご迷惑になるような無理な勧誘など一切ないことをお約束します。ここに書かれていること以外のことでも、ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

×××××(家庭教師派遣会社名)

【何でも相談ダイヤル】0120-×××-×××(無料通話)
(受付時間:××時~××時 土日祝日OK)

この「よくある質問」を読んで、いかがだったでしょう?
無料体験授業に興味があるかどうかはともかくとして、少なからず、あなたもこの会社の無料体験授業についてプラスの印象を持ったのではないでしょうか。では、ここであなたに質問です。

このような「よくある質問」を作って、それをセールスのときに「ここに日頃お客様から寄せられるよくある質問をまとめてありますので、ぜひご覧になってください!」と見込客に手渡すことは、あなたのセールスにとってプラス効果になることでしょうか。それとも、マイナス効果になることでしょうか。

見込客の行動を後押しすることになるでしょうか。それとも、見込客の行動を妨げることになるでしょうか。あなたの成約率アップに役立つことでしょうか。それとも、何の役にも立たないことでしょうか。

当然、いずれの答えも「前者」ですよね。

「よくある質問」の作り方-7つのポイント

だとすれば、話は簡単。今すぐあなたのセールスに取り入れましょう。…と、いきなり突き放されても、「いったどう作ればいいのか?」と戸惑う方もいるでしょう。そこで、「よくある質問」を作るうえでのポイントをお教えします。「よくある質問」を成約率アップに貢献してくれる営業ツールにするには内容を工夫する必要があります。ポイントは7つです。

  1. とくに強調したい点から逆算して質問を考える
  2. 見込客が「知りたいと思うこと」「不安に感じていること」に対してきっちり回答する
  3. 質問に答えるという形式を利用して商品・サービスの強みをアピールする
  4. 会社(あなた)の方針・理念や考え方をさりげなく伝える
  5. イエス・ノー形式ではなくて具体的な答えを提示できる質問にする
  6. 業界用語は使わず、見込客が理解できる言葉を使う
  7. 質問が多岐にわたる場合はジャンル別に整理して知りたい情報に早く辿り着けるようにする

この7つのポイントを踏まえたうえで、「よくある質問」を作っていきます。先ほどの無料体験授業についての「よくある質問」もここで挙げた7つのポイントを見事に抑えています。当然、商品・サービスの内容によって「よくある質問」に掲載する質問とその回答は変わってきます。

しかし、成約率アップに貢献する「よくある質問」を作るうえで、絶対に掲載しておきたい質問項目があります。とりわけ、保険営業マン・士業・コンサルタントのように競合が激しく、「形」のない商品・サービスを売っている方々なら迷わず掲載しておくべきです。それが、次の5項目です。

成約率アップに不可欠な5つの質問項目

「よくある質問」には必ず次の5つの質問項目を入れるようにしましょう。なぜなら、この5つが商品・サービスを購入する前に見込客の知りたいことで、かつ、商品・サービスを、自社(あなた)を、効果的に売り込める「質問」とその「答え」だからです。

  1. なぜ____(見込客の悩み・問題を解決すること)が必要なのか?
  2. ____(商品・サービス)のメリットは何か?
  3. ____(商品・サービス)のデメリットは何か?
  4. 価格(料金)はどのように決められているのか?
  5. 他社との違いは何か?

1.なぜ___(見込客の悩み・問題を解決すること)が必要なのか?

見込客の最大の関心事は「自分の悩みが解決されるのか?」という点にあります。従って、まずはその疑問に対する答えを用意します。例えば、保険の見直しを検討している見込客に向けて「よくある質問」を作るなら、「Q.なぜ保険の見直しが必要なのか?」についてその答えを用意します。

2.___(商品・サービス)のメリットは何か?

次に、商品・サービスを購入すると、「どんなメリットがあるのか?」の答えを用意します。例えば、「Q.保険を見直すと、どのようなメリットがありますか?」についてその答えを用意します。商品・サービスの特徴ではありません。メリットです。メリットは次の公式に当てはめて考えるようにしましょう。

  • この商品・サービスには______という特徴があります。
  • ということは、つまり、______できるということです。

3.___(商品・サービス)のデメリットは何か?

ただし、メリットばかりを強調しても、見込客は信用してくれません。そこでデメリットについても触れておきます。例えば、「Q.保険を見直すことで、何かデメリットはないですか?」の答えを用意します。デメリットを述べつつ、最終的にはそのデメリットを上回るメリットがあることを伝えるのがポイントです。

4.価格(料金)はどのように決められているのか?

見込客が価格(料金)に対して納得できる「理由」です。誰だって損をしたくありません。実際のところ、あなたの商品・サービスはお手頃価格なのかもしれませんが、「なぜ安いのか?」を伝えなければ、「高いのか」「安いのか」の判断基準が見込客の側にはないわけです。

そうなれば、商品・サービスの価格は単なる数字です。見込客にとって納得できる「理由」を与えていないことになります。従って、「なぜこの価格なのか?」を見込客に説明する必要があります。「無料」でもそれは同じです。タダより高いものはない。誰もがそう警戒します。無料であっても、「なぜ無料なのか?」についてその答えを用意しておきましょう。

5.他社との違いは何か?

ここは自社(あなた)を売り込む部分です。「他にも類似商品・サービスがある中で、なぜあなたから購入しなければいけないのか?」についてその答えを用意します。例えば、「私ならあなたの悩みを解決できます。その証拠をお見せしましょう」として、他社との違いを示します。

以上が「よくある質問」を作るうえで外せない5項目です。この5項目を基本として、後は日頃の営業活動の中で頻出する見込客からの質問とその回答を掲載していきます。そうやって見込客の購買抵抗を取り除いていく。これが成約率アップに貢献する「よくある質問」の作り方です。

まとめ

実は、先の5項目について考えることはあなたのビジネスと真正面から向き合う作業でもあります。なぜなら、ここで挙げた5項目の質問とその答えを用意できないのなら、それは裏返すと、見込客にとってはあなたから商品・サービスを“買う理由がない”ことになってしまうからです。

面倒かもしれませんが、時間を取って5項目の質問とその答えを考えてみてください。「よくある質問」は対面セールスでも、DMでも、WEBでも、あなたのセールスにとってプラスに働くことはあっても、決してマイナスに働くことはない営業ツールです。

今回の記事を参考に、ぜひ成約率アップに貢献する「よくある質問」を作成してください。




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神奈川県生。早稲田大学商学部卒業後、大手国内生保から外資系保険会社を経て、平成17年7月に営業支援会社「株式会社おまかせホットライン」を創業。創業以来一貫してダイレクトマーケティングを実践し、DM・FAXDM・WEB媒体を駆使した売らずに売れる「仕組み」の構築を得意とする。そのノウハウを公開する自社セミナーは毎回キャンセル待ちになるほど盛況を誇る。