あなたは商談の場ですぐに商品・サービスのパンフレットや見積書(設計書)を広げて説明をしていませんか。実は、成績の悪い営業マンほどパンフレットや見積書(設計書)を出すタイミングが早い傾向にあります。反対に、トップ営業マンほどタイミングが遅い傾向にあります。中には、「クロージングが先、商品説明は後!」という流れでセールスするトップ営業マンもいるほどです。
なぜそんなことが可能なのでしょうか?
その理由は大きく2つです。ひとつは、先述のとおり、彼らが売っているのは問題解決の「方法」だからです。彼らの「目的」は社長(見込客)の問題解決にあります。商品・サービスはそのための「手段」にすぎない。トップ営業マンほどそう考えてセールスしています。
ゆえに、商品・サービスの細かな特徴やスペックを説明することにはあまり重きを置きません。彼らがフォーカスするのは「この商品・サービスがいかに御社の問題を解決できるのか?」という点です。
もうひとつはトップ営業マンは人の購買心理を熟知しているからです。実は、法人営業に限らず、セールス失敗の最大要因は営業プロセスの第一歩にあります。営業マンが勝手にセールスをはじめて社長(見込客)に心理的抵抗(売り込まれている感)を植え付けてしまうのです。こうなるとそのセールスはまず失敗します。社長(見込客)が聞く耳を持たなくなるからです。トップ営業マンはこのことを知っています。
では、どうすればいいのか?
社長(見込客)からセールスの「許可」をもらうのです。トップ営業マンでも興味のない社長(見込客)に話を聞いてもらうことはできません。商品・サービスを売ることもできません。「欲しくないものを売りつけられたくない!」と、あなたが思うのと同じ。社長(見込客)もそう思っているからです。
セールスの成約率を上げたければ、勝手にセールスを始めないことです。
どう考えても話を聞きたくなる展開を作れ!
従って、法人営業の成約率を上げたければ、営業プロセスの第一歩は社長(見込客)からセールスの「許可」をもらうことからスタートしてください。「許可」をもらうためには社長(見込客)に“賢く質問”することです。“賢く質問”すれば、どう考えても社長(見込客)が話を聞きたくなる展開を作れます。
質問は相手の心を開く最大級の武器である。
by ドロシー・リーズ(米国心理コンサルタント)
例えば、次のように質問してみるのです。
社長、実は、______(3つの問題のうちどれか)を
______ 解決できる方法があるのですが、その方法にについてご存知ですか?
このように質問すると、社長(見込客)は高確率で「いや、知らないけど…」と答えます。すると、どう考えても、あなたがその「方法」について説明していく流れになるはずです。