法人営業で成果を上げるために必要な考え方と「仕組み」の作り方をステップ・バイ・ステップで解説しています。【step.03】は「フォローアップ」です。これが最終ステップです。フォローアップはあなたから商品・サービスを買ってくれた「顧客」に対して、あるいは、セールスしたがそのときは買ってくれなかった「見込客」に対して行っていきます。
フォローアップの定義
最初に言葉を定義しておきましょう。フォローアップとは「見込客」あるいは「顧客」に対して継続的にコミュニケーションを取ることです。その目的は“昇格”させることにあります。では何を“昇格”させるのかというと、こういうことです。フォローアップによって、
- 「見込客」を「顧客」に変える
- 「顧客」を「優良顧客」に変える
見込客に対するフォローアップ
まずは「見込客」に対してです。【step.01】の集客は成功しましたが、残念ながら【step.02】のセールスでは見込客を成約させることはできませんでした。しかし、それはあくまでも“そのときは”という限定条件付きでのNGだったのかもしれません。タイミングが悪かったのかもしれませんし、慎重派の見込客で「まだあなたのことをよく知らないから」という理由によるものだったのかもしれません。
だとすれば、次に何をすればいいのかは決まっています。フォローアップによって、見込客が「欲しい」と思ったタイミングに“その場”にいるようにしておくのです。
顧客に対するフォローアップ
次に「顧客」に対してです。【step.01】では“商品やサービスが解決できる見込客の問題”にフォーカスすることで集客しています。その後、【step.02】で“見込客の5つの疑問”を見事に解消してセールスを成功させました。しかし、それはあくまでもひとつのテーマに対するものであって、顧客の抱える悩みや問題がすべて解決されたわけではありません。であれば、ここでも次に何をすればいいのかは決まっています。
フォローアップによって、あなたなら顧客が抱える別の悩みや問題も解決できることを知らせることで、別の商品・サービスを追加購入してもらうのです。
当たり前の話ですが、いつ買ってくれるのかは全面的に顧客や見込客の都合次第です。その都合を営業マンが把握するためには繰り返し、「顧客」や「見込客」にセールスメッセージを発信する必要があります。そうすれば顧客や見込客が勝手に“都合(買うタイミング)”を決めてくれます。
従って、次のような媒体を活用して、顧客や見込客の“都合(買うタイミング)”に合わせて、そのときに声が掛かる「仕組み」を作っておくことが重要なのです。
ダイレクトメール |
FAXDM |
Eメール |
フォローアップで使うデータベースの作り方と運用方法
フォローアップを実行するには最低でも2つのデータベースが必要です。ひとつは顧客情報をリスト化したデータベース、もうひとつは見込客情報をリスト化したデータベースです。
その理由は明白です。顧客と見込客とではフォローアップで発信すべきセールスメッセージが異なるからです。データベースの基本はいつでもコンタクトできるための情報(会社名、担当者名、連絡先)です。ここに集客経路やコンタクト履歴などの付随情報も追加しておきます。
さらに、顧客情報、見込客情報と一括りにいってもその「属性」は異なるはずです。例えば、顧客の中でも購入商品・サービスは違うはずですし、見込客の中でもセールスまでは至らなかった見込客とセールスしたがそのときは断られた見込客がいるはずです。こうしたグループもフォローアップのときにセグメントできるよう属性別にデータベースを分けておきます。
区分 | 属性別セグメント |
---|---|
顧客 | A.購入年月でセグメント B.購入商品・サービスでセグメント C.購入金額でセグメント |
区分 | 属性別セグメント |
---|---|
見込客 | A.集客年月でセグメント B.集客経路でセグメント C.対応履歴でセグメント |
そうやって顧客や見込客の情報を蓄積し、いつでも属性別にリストを抽出できるようにしておくことが重要です。併せて、日々の営業活動の中でフォローアップのスケジュールを確認することを習慣化するようにしましょう。データベースはリスト数が少ないうちはエクセル等で自作してもOKです。その場合は属性別セグメントでフォルダやシートを分けておくことをおすすめします。
ただし、リスト数が増えてくるとエクセル等のデータベースではリスト管理が難しくなってきます。今はシンプルで使い勝手の良い「顧客管理ソフト」が低廉な価格で手に入ります。リスト数が増えてきたら市販の顧客管理ソフトの導入を検討してください。
なお、ここでのセグメント属性は日々の営業活動の中で変化していくはずですので、データベースのメンテナンスを忘れずにすることも重要です。最初にセールスメッセージのパターンをグループ別で用意しておけば、後はそのセールスメッセージを送るだけ。自動的にフォローアップできるようになります。
いずれにしても、このようにデータベースをセグメントすることで、フォローアップではグループ別に最適なセールスメッセージを発信できるようになるわけです。
理想のセールスを実現!フォローアップの正しいやり方
フォローアップに使う媒体はダイレクトメールでも、FAXDMでも、Eメールでも、何でもいいのですが、とにかく定期的かつ継続的にフォローアップすることが重要です。顧客や見込客が「欲しい」と思ったタイミングに“その場”にいなければ、たまたまアプローチしたライバルがあなたの代わりに、その顧客や見込客を「成約」させることになります。これを、巷では“トンビに油揚げをさらわれた”といいます。
とはいえ、とにかく定期的かつ継続的に実行すればいいと考えるのは違います。例えば、毎週あなたから売り込みのダイレクトメールやEメールが届いたら、それを顧客や見込客はどう感じるか。「有難い」とは思いません。【step.01】を思い出してください。集客するには商品・サービスが解決できる見込客の悩みや問題にフォーカスするのがポイントでした。フォローアップも同じ。そのスタンスを守っていきましょう。
フォローアップの基本スタンス
重要なのは価値を提供し、価値ある人と思ってもらうことです。そのためにはフォローアップのセールスメッセージは「あなたが伝えたいことではなくて(×)」「見込客が知りたいことを伝える(○)」ものでなければダメだということです。
例えば、あなたが保険営業マンで生命保険を活用して社会保険料を削減する方法を知っているとします。見込客は社会保険料の負担で悩んでいる経営者です。その経営者に何とか生命保険を販売したいと考えています。しかし、当の経営者はというと、
- 社会保険料の仕組みはどうなっているのか?
- どうすれば社会保険料を削減できるのか?
- なぜ保険で社会保険料が削減できるのか?
- あなたに相談して大丈夫なのか?
- 費用はいくらかかるのか?
- 面倒な手続きはないか?
- 削減することでデメリットはないのか?
- 具体的にはいくら削減できるのか?
…などなど、アタマの中は「?」だらけかもしれません。当然その経営者には「?」がすべて解消されない限り生命保険に加入してもらうことはできません。そこで、これらの「?」に対してダイレクトメールなりEメールなりを使ってひとつひとつ回答してあげるわけです。
フォローアップで“売らずに、売れる”ようになる理由
たしかにセールスメッセージの発信回数は多くなるでしょう。しかし、それが自分の悩みや問題を解決するのに役立つ情報であれば、見込客は喜んで受け取ってくれます。おまけに見込客の「?」を解消していくうち欲求も高まりますし、そのような役立つ情報を教えてくれたあなたに対しての信頼度も高まっています。
そうなった状態でのセールスを考えてみてください。見込客の中ではあなたはもう、その他大勢のライバルたちとは違って見えています。
その結果、これまでのように集客やセールスした後に「その後どうですか?」と見込客を追いかけ回さなくても、「どうしたらいいですか?」と逆に見込客の方からあなたに連絡が入るようになります。
つまり、クロージングなんてしなくても、“売らずに、売れる”ようになるのです。これこそ理想的な営業スタイルではないでしょうか。
まとめ
最後にこの小冊子をお読みください。この小冊子にはドン底だった営業マンが試行錯誤を経て法人営業の「仕組み」を完成させるまでのストーリーが語られていいます。ターゲットの絞り込み方、ダイレクトマーケティングを使った集客方法、「事前診断」を起点とした販売モデルの作り方、フォローアップの具体的手法など、いずれも法人営業の「仕組み」を作るうえで重要なプロセスです。この小冊子をお読みいただけば、今回の特集記事で解説していることをより一層深く理解していただけるはずです。
時間を味方につけるセールスの「仕組み」の作り方
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