前回『36倍売れる!小冊子の作り方①~バカ売れテーマの決め方とタイトル14パターン』の続きです。今回は「どうやって小冊子を書けばいいのか?」について解説します。小冊子を書きたくても、日頃文章を書き慣れない方は「そんな長い文章は書ける気がしない…」と不安に思うかもしれません。
でも大丈夫です。なぜなら見込客を魅了する小冊子には定型フォーマットが存在するからです。文章初心者の方はぜひ今からご紹介するフォーマットを使って小冊子を書いてみてください。
定型フォーマットは大きく3つあります。
もっともオーソドックスなタイプです。このタイプの小冊子は文章構成パターンが決まっています。文章構成は「問題提起」→「解決策提示」のストーリーで書かれた“超長文のセールスレター”と同じです。
以下、ノウハウ系小冊子の典型的な「章立てパターン」です。
- はじめに
- 第一章 問題や悩みを明確化する
- 第二章 問題や悩みをさらに深く掘り下げる
- 第三章 信頼性を演出する
- 第四章 問題や悩みへの解決策を提示する
- おわりに 行動を呼びかける
- プロフィール
a. はじめに
小冊子で一番大切な部分が「はじめに」です。この部分で見込客の心を掴むことができなければ、先を読み進めてもらえないからです。「はじめに」は全体のページ数でいえばそれほど大きく割く必要はありません。後の章をじっくり読ませるための“ツカミ部分”だからです。とはいえ、その役割はきわめて重要です。「はじめに」に書くべき内容はおもに3つです。
- 見込客の問題や悩みの明確化
- 自己紹介と小冊子を書いた理由
- 小冊子を読むことで手に入るベネフィット
この3つを簡潔に書いていきます。一文を短く、会話文、疑問文、感嘆詞などを使いながら読みやすい文章を心掛けるのも重要です。それと、アドバイスが1つあります。小冊子ではあえて「目次」を付けないことです。なぜか。「目次」を付けるとパラパラと読み飛ばす見込客がいるからです。これでは本当にあなたの伝えたいことが伝わりません。だから小冊子には「目次」を付けないようにするのです。
b. 第一章 問題や悩みを明確化する
第一章は見込客の問題や悩みを明確化する部分です。要は「○○でお悩みではありませんか?」「○○を知らないばかりに損していませんか?」と問題を提起し、見込客に「たしかに、そのとおりかも…」と共感してもらう部分です。ここで「そんなことないよ!」と共感や納得を得られないと、その先を読み進めてもらえません。見当外れの問題提示をしないよう見込客の悩みや問題をリサーチしてください。
c. 第二章 問題や悩みをさらに深く掘り下げる
第二章では第一章で明確化した問題や悩みをさらに深く掘り下げていきます。見込客の感情的な側面に訴えていくのがポイントです。このまま問題や悩みを放置しておくとどうなるのか。「~という取り返しのつかない事態になるかもしれません」「~という本来しなくてもよい損をすることになるかもしれません」などと文章を展開していきます。怒り・不安・後悔などの感情的な側面にアプローチするのがポイントです。
そうすることで見込客は一気に本文の中に引き込まれていきます。“焚き火”をイメージしてみてください。第一章ではマッチを擦って火をつける。そして、第二章ではその火を燃え上がらせるために薪をくべるのです。そうしてメラメラと燃え盛る炎を第三章以降で消していくという流れです。
d. 第三章 信頼性を演出する
第三章は核心部分です。この章の出来次第で成約率に大きな違いが出るからです。重要なのは「あなたなら問題や悩みを解決してくれる」と見込客に思わせること。そう見込客に思わせるためにはどうすればいいのか。「証拠」を示すことです。「証拠」を示すことで見込客に納得してもらうのです。具体的には、、、
- 成功事例
- 自己紹介(あなたの実績や経験年数)
- 取引実績/お客様の声
などを記載して、あなたへの信頼性を演出していきます。このようにして信頼性を演出することで、小冊子を読み終えた見込客はあなたから「買う理由」を見付けてくれるわけです。
e. 第四章 問題や悩みへの解決策を提示する
第四章は小冊子のクライマックスです。第四章は見込客の問題や悩みに対する解決策を提示する部分だからです。ポイントはあなたのセールスにつながるアドバイスを行なうこと。「あなたの問題や悩みを解決するにはどうすればいいのか?」について具体的な解決策をステップ・バイ・ステップで書いていきます。
例えば、あなたが保険営業マンでオーナー社長向けに【社会保険料削減ノウハウ】をテーマにした小冊子を書いているとします。ならば、第一章、第二章では「オーナー社長が社会保険料を削減すべき理由」を述べて社長に問題や悩みを“認識”させていきます。第三章では「このノウハウでいくら社会保険料を削減できるのか?」という“証拠”を提示します。そうして第四章では「では、いったいどうすれば社会保険料を削減できるのか?」という社長の疑問に対して、「実は、こういう方法を使って、このような手順で、社会保険料を削減できるのです!」と“答え”を提示するわけです。
f. おわりに 行動を呼びかける
小冊子のクロージング部分です。「おわりに」で見込客に今すぐ行動してもらうよう呼び掛けます。見込客に「あなたは行動しないことで損していますよ」と再度訴えます。そうならないために「あなたが次に取るべき行動は何か?」を伝え、セールスにつなげていくわけです。
例えば、問題解決のための第一歩として、「まずは実際にあなたの場合は『いくら社会保険料を削減できるのか?』を完全無料でシュミレーションいたします。ぜひお声掛けください!」と“提案”するわけです。
g. プロフィール
プロフィールは“あなたを売り込む部分”です。小冊子にはプロフィールを入れてください。見込客は必ずこの部分に目を通します。以前、個人客向けに「保険見直し」の小冊子を配布していたときのこと。小冊子のプロフィールを見て、「私の娘の大学の先輩ですね!」と手紙をくれた人がいたくらいです。
プロフィールに記載する情報はおもに以下のとおりです。
- 会社名/名前
- 顔写真
- 出身地/生年月日
- 学歴
- 経歴/職歴
- 実績
- 保有資格
プロフィールで大事なことがあります。それは「あなたなら問題や悩みを解決してくれる」と見込客に思わせるプロフィールにすること。なので、事実の羅列だけではダメです。ではどう書けばいいのか。「私にはこういう経歴があって、こういう経験をして、これだけの実績があります。だから~という問題や悩みを抱えるあなたのお役に立てるはずです」という流れでプロフィールを書くわけです。
この辺りは書籍が参考になります。書籍の著者プロフィールをチェックしてみてください。必ずその本のテーマにふさわしいプロフィール(このテーマの本を書く資格があるのか?)になっているはずです。なお、巻末には次の情報も忘れずに掲載しておきましょう。
- 連絡先(住所・電話番号・FAX・URL・メールアドレスなど)
- 小冊子のタイトル
- 著作権保護のガード文言(フッダー挿入でも可)
見込客の問題や悩みによくある質問(FAQ)形式で解決策を提示していくタイプです。何と言っても、よくある質問(FAQ)系のフォーマットは“書くのがラク”というメリットがあります。文章の流れや構成であれこれ悩む必要がないのです。例えば、よくある質問(FAQ)が5つあったとしましょう。
それなら次のようにシンプルな「章立て」にすればいいからです。
- はじめに
- よくある質問とその答え①
- よくある質問とその答え②
- よくある質問とその答え③
- よくある質問とその答え④
- よくある質問とその答え⑤
- おわりに
- プロフィール
もう少し具体的に説明しましょう。「はじめに」「おわりに」「プロフィール」はノウハウ系の小冊子と同じです。本文のみ「質問と回答」をワンセットにして書いていくわけです。例えば、、、
御社の社会保険料を33%削減できる5つのポイント#その1
中退共の意外な活用法で従業員の社会保険料を削減できると聞きましたが、本当ですか?
本当です。中退共(中小企業退職金共済)とは中小企業のみが利用できる従業員の外部退職金制度ですが、実は意外な活用法で従業員の社会保険料を削減することができるのです。その方法とは~
…と、こんな感じで「質問と回答」をワンセットで書いていきます。この方法なら「そんな長い文章なんて書ける気がしない……」と不安に思う方でも文章の流れや構成を気にすることなく書けるので、とっつきやすいのではないでしょうか。
成功事例を紹介するタイプの小冊子です。「いかにしてその問題や悩みを解決したのか?」は同じ問題や悩みを抱える人たち(同業者)ならもっとも関心を持つテーマでしょう。そのうえ成功事例には「ここにある成功事例と同じようにすれば自分も問題や悩みを解決できるのでは?」と見込客に期待させる効果があります。さらに、よくある質問(FAQ)系の小冊子同様、“書くのがラク”というメリットもあります。
成功事例を文章化して小冊子にするポイントは4つです。
- 何がどうなったのか? … 客観的な事実(結果)
- 解決策を導入する前、見込客はどんな問題や悩みを抱えていたのか?
- 何が決め手で、見込客は解決策を導入しようと思ったのか?
- 実際に解決策を導入してみて、見込客は今どう思っているのか?
実は、これら全部、あなたが考えて文章化する必要はありません。あなたの「既存顧客」にアンケートを取ったり、インタビューすれば書けてしまうのです。後はその内容を小冊子の「章立て」にします。「はじめに」「おわりに」「プロフィール」はノウハウ系の小冊子と同じです。
- はじめに
- 何がどうなったのか? … 客観的な事実(結果)
- 解決策を導入する前、見込客はどんな問題や悩みを抱えていたのか?
- 何が決め手で、見込客は解決策を導入しようと思ったのか?
- 実際に解決策を導入してみて、見込客は今どう思っているのか?
- おわりに
- プロフィール
b. 何がどうなったのか? … 客観的な事実(結果)
例えば「劇的!社会保険料削減ノウハウ成功事例集」という小冊子だとします。そのノウハウを導入したことで「会社と社長個人は年間200万円もの社会保険料を削減できた」というのが【b.何がどうなったのか? … 客観的な事実(結果)】という部分です。
c. 解決策を導入する前、見込客はどんな問題や悩みを抱えていたのか?
次にインタビューの結果、「社会保険料の重い負担で悩んでおり、市販本などを読んで勉強してみたが、どれも実現性や効果に疑問が残るものばかり。『他に何か良い方法はないのか?』と解決策を模索していた」という答えだったとします。ならば、そのことを【c.解決策を導入する前、見込客はどんな問題や悩みを抱えていたのか?】という部分に書いていきます。
d. 何が決め手で、見込客は解決策を導入しようと思ったのか?
なぜ社会保険料削減ノウハウを導入しようと思ったのか?…この問いに「法人と個人の支出を1円も変わらず、数年後には非課税で資金移転ができる点に大きな魅力を感じたから」という答えが返って来たなら、それを【d.何が決め手で、見込客は解決策を導入しようと思ったのか?】という部分に書いていきます。
e. 実際に解決策を導入してみて、見込客は今どう思っているのか?
最後に、社会保険料削減ノウハウを導入前と導入後を比べて、何がどう変わったのか?…という問いに「年間200万円も社会保険料を削減できたので、新規事業の資金に回すことができた」という答えが返って来たなら、それを【e.実際に解決策を導入してみて、見込客は今どう思っているのか?】という部分に書いていきます。同じ問題や悩みを抱える人たち(同業者)に向けてコメントしてもらえればカンペキです。
まとめ
以上が見込客を魅了する小冊子3つのフォーマットです。いずれのフォーマットも重要ポイントは共通しています。ともすると、小冊子では「自分が伝えたい内容」を書こうとしてしまいます。しかし、小冊子では「見込客が知りたいと思う内容」「見込客にとって価値ある内容」を書くことが重要です。
文章力に自信が持てない方はぜひこの3つのフォーマットを使ってください。そうすれば、机の前に座って「何を、どういった順番で書けばいいのか?」と途方に暮れることなく、おのずと「見込客が知りたいと思う内容」「見込客にとって価値ある内容」が書かれた小冊子になるはずです。