法人営業において歯科・医院クリニックは人気のターゲットの1つです。ところが、いざ歯科・医院クリニックを新規開拓しようとすると、多くの営業マンが次のような問題に直面します。
- 飛び込み営業でアプローチしたが受付に断られた…
- テレアポしても院長につないでもらえない…
要は、商品・サービスを提案する「前」に断られてしまうわけです。こうなる理由はシンプルです。見ず知らずの営業マンからよく分からない商品・サービスの話を聞きたいと思う院長など1人もいないからです。
では、どうすればいいのか?
それが今回のテーマです。今から歯科・医院クリニックの新規開拓において院長へのアポイントを高確率で獲得できる電話営業の具体的手法をご紹介します。ポイントは“院長に取り次いでもらわない”ことです。
どういうことか説明しましょう…
取り次いでもらわない電話営業
まずは歯科・医院クリニックに電話営業するシーンを想像してみてください。歯科・医院クリニックに電話をかけると、最初に電話口に出るのは受付スタッフです。そこで、「セールスしたいから院長に代わってください」と切り出して取り次いでくれる受付スタッフがいるでしょうか。
いるわけないのです。一般企業同様、「営業電話の取次ぎはしない」ことをルール化している歯科・医院クリニックががほとんどだからです。そのような状況で、受付スタッフ相手に「そこをなんとか」と粘ってみても、それは時間と労力のムダというものです。
ならば、どうするか?
ここは逆転の発想をします。初回の電話営業では、院長に取り次いでもらうことを目的とするのではなく、受付スタッフに「確認」の電話をすることを目的にしてしまうのです。実際、弊社ではこの方法で歯科・医院クリニックを新規開拓して、かなりの成果を上げることができました。
その具体的なトークスクリプトはこうです:
受付スタッフに「確認」の電話をする
ここでの電話営業では何も売り込みません。商品説明も一切不要です。なぜなら「院長宛にダイレクトメールを送ってもいいですか?」と歯科・医院クリニックの受付スタッフに「確認」するだけだからです。例えば、あなたが社労士なら次のようなトークで受付スタッフに「確認」します。
【あなた】
こちらは_____(あなたの社名・屋号など)と申します。 ただ今、××市内の_____様(歯科・医院クリニック名)に「確認」のお電話をさせていただいております。 お忙しいところ、突然お電話して申し訳ございません。実は、_____様(歯科・医院クリニック名)に2つほど「ご確認」がございましてお電話を差し上げました。
【受付スタッフ】
何でしょうか?(どのようなご用件でしょうか?)
【あなた】
はい、まずひとつめでございます。現在、_____様(歯科・医院クリニック名)では雇用保険に加入されている(ターゲットに選んだ理由)と思うのですが、 実は、雇用保険加入の歯科・医院クリニック様には厚労省による助成制度(オファーの概要)がいくつか用意されております。 そのことはご存知だったでしょうか?
このように切り出すと、受付スタッフの答えは「知っている」か「知らない」かの2つに1つです。しかし、その答えがどちらでも次のようにトークを続けることでダイレクトメールを送ることができるのです。
【あなた】
そうでしたか、ご確認ありがとうございます。 それでは、2つめの「ご確認」でございます。実は、_____(あなたの社名・屋号など)では_____様(歯科・医院クリニック名)のように雇用保険に加入されている(ターゲットに選んだ理由)歯科・医院クリニック様に厚労省による助成制度(オファーの内容)をご案内しております。 つきましては、その詳しい資料を院長先生宛にお送りしてもよろしいでしょうか?
ここでも受付スタッフの答えは2つに1つです。「送付OK」ならダイレクトメールを送る。「送付NG」なら送らない。これだけです。ただし、「院長先生に聞いてみないと分からない…」という答えケースがあります。その場合は次のように受付スタッフに「確認」します。
【あなた】
そうですか。実は、私どもでは資料をお送りしました後は_____様(歯科・医院クリニック名)にこちらからセールスのお電話などを差し上げることはございません。そこで、「ご確認」なのですが、もし今お話ししました厚労省による助成制度(オファーの内容)に関する資料をお送りした場合に、その資料を院長先生に渡しいただくことは可能でしょうか?
これで一定割合の受付スタッフが「渡すだけならいいですよ」と答えてくれます。 そうなると、DMの送付率も上がりますので、比例して提案チャンスも増えるというわけです。
まとめ
これまでの飛び込み営業やテレアポではあなたのオファーを院長に伝える「前」の段階で断れるケースが大半だったのではないでしょうか。でも、それはもったいない話です。その点、今回ご紹介した電話営業の方法ならあなたのオファーを院長に伝えられる確率がグンと上がります。
そうなれば提案チャンスも上がることは容易に想像できるでしょう。訪問アポイントの獲得にしても、初回の電話でいきなり院長に取り次ぎをお願いするよりも、ダイレクトメールを送った後に「先日お送りしました資料の件で…」とやった方が受付スタッフから取り次いでもらいやすくなります。
またあるいは、あなたのオファー(提案)が魅力的なら、次のようにダイレクトメールを見た院長の方から「詳しく話を聞きたい!」とレスポンスが返って来ることも多々あります。
飛び込み営業やテレアポと比べたら断りのストレスも“雲泥の差”です。歯科・医院クリニックの新規開拓で苦戦中の方は以下の記事も参考にしながら、ぜひ今回ご紹介した電話営業の方法を試してみてください。
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