おそらくこのダイレクトメールは全国単位で何千~万通も送付されていたことでしょう。スパムメールと違ってダイレクトメールにはコストがかかります。そう考えると、郵便代だけで数百万単位のコストです。言うまでもなく、詐欺の目的はお金を騙し取ることです。コスト割れしては法を犯すリスクを負ってやる意味がありません。詐欺師は確実に儲かると踏んでダイレクトメールを送っているわけです。
では、その根拠はどこから来るのか?
“テストマーケティング”による効果検証です。具体的にはスプリット・ラン・テストがあります。
スプリット・ラン・テスト
例えば、ダイレクトメールの送付リストが30,000件あったとします。そのうち3,000件を抽出して、さらに1,000件に小分けにした3つのリストを用意します。一方、ダイレクトメールもクリエイティブ(中身)の異なる3種類を用意します。そうして3つのリストに3種類のダイレクトメールを送ってレスポンスを計測します。その結果、1番反応の高かったダイレクトメールを残り27,000件のリストに発送するのです。
リストA |
ダイレクトメール1 |
ヒット率0.3% |
リストB |
ダイレクトメール2 |
ヒット率1.2% |
リストC |
ダイレクトメール3 |
ヒット率0.7% |
経験上、ダイレクトメールはテストマーケティングの母数が適正(最低1,000件以上が目安)なら、本番でヒット率が大きくブレることはありません。よって、このような手順を踏むことで、ダイレクトメールの費用対効果を事前に粗方予測できてしまうのです。