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新型コロナ関連の事業者支援策①~資金繰り・助成金・補助金・支払猶予他

現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの中小企業・個人事業主が業績悪化に直面しています。この非常事態を受けて、政府は中小企業・個人事業主に対して様々な経済支援策を打ち出していますが、申請窓口がそれぞれ異なるうえ、日々情報が更新され混乱も生じています。

そこで、現時点で活用できる「新型コロナ関連の中小企業・個人事業主支援策」を以下にまとめてみました。情報が錯綜している中、もしかすると、あなたの顧客も「何をどうすればいいのか?」と途方に暮れているかもしれません。そんなときは、ぜひここで紹介した経済支援策を教えてあげてください。

2020年4月22日時点で発表されているおもな中小企業・個人事業主への支援策は以下のとおりです。

  1. 資金繰り支援(貸付・保証)
  2. 持続化給付金
  3. 雇用調整助成金(特例措置)
  4. 補助金
  5. 支払猶予(税・社会保険料)
  6. その他



1.資金繰り支援(貸付・保証)

新型コロナウイルス感染拡大による資金繰り支援(貸付・保証)はおもに日本政策金融公庫・信用保証協会・商工会議所・商工中金が窓口になっています。以下、それぞれの支援策の概要をご紹介します。

 資金繰り支援内容一覧表(経済産業省)

新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫では新型コロナウイルス感染症の影響で業績が悪化した事業者に向けた融資制度「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を創設しています。当初3年間は基準利率に対しマイナス0.9%が適用され、実質無利子で融資を受けられます。

名称  新型コロナウイルス感染症特別貸付
内容  最大6,000万円(国民生活事業)/  最大3億円(中小企業事業)
対象  次のいずれかの要件に該当する事業者が対象になります。
  • 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して、5%以上減少、またはこれと同様の状況にある事業者
  • 業歴が3ヶ月以上〜1年1ヶ月未満の場合は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している事業者
    1. 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高
    2. 令和元年12月の売上高
    3. 令和元年10月~12月の平均売上高
窓口  日本政策金融公庫|事業資金相談ダイヤル
詳細  日本政策金融公庫HP

セーフティネット保証4号・5号・危機関連保証制度

信用保証協会も新型コロナ感染拡大のため経営の安定に支障が生じている中小企業・個人事業主向けの保証制度を用意しています。以下、「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」の概要をご紹介します。

名称  セーフティネット保証4号
内容  最大2億8,000万円(借入債務の100%を保証)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
    新型コロナウイルス感染症の影響で最近1ヶ月の売上高などが前年同月より20%以上減少、かつ、その後の2ヶ月を含む3ヶ月間の売上高が前年比で20%以上減少することが見込まれる中小企業者(借入債務の100%保証)
窓口  信用保証協会 or 地方経済産業局
詳細  経済産業省HP
名称  セーフティネット保証5号
内容  最大2億8,000万円(借入債務の80%を保証)
対象  指定40業種のうち次の要件に該当する事業者が対象になります。
    最近3ヶ月の売上高が前年同期比で5%以上減少している中小企業者。または指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%以上を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていていない中小企業者
窓口  信用保証協会 or 地方経済産業局
詳細  経済産業省HP
名称  危機関連保証制度
内容  最大2億8,000万円(借入債務の100%を保証)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
    新型コロナウイルス感染症が原因で、最近1ヶ月間の売上高などが前年同月比で15%以上減少し、かつ、その後2ヶ月間も売上高などが前年同期比で15%以上減少することが見込まれる中小企業者
窓口  信用保証協会 or 地方経済産業局
詳細  経済産業省HP

新型コロナウイルス対策マル経融資

商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫等が無担保・無保証人で融資を行う「マル経融資」(小規模事業者経営改善資金融資)も新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置が設けられています。

名称  新型コロナウイルス対策マル経融資
内容  1,000万円(別枠)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
    商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者で、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者
窓口  最寄りの商工会議所
詳細  日本政策金融公庫HP

危機対応融資

商工中金(商工組合中央金庫)も新型コロナウイルス感染症による影響を受け、業況が悪化した事業者に対し、「危機対応融資」による資金繰り支援を実施しています。

名称  危機対応融資
内容  最大3億円
対象  次のいずれかの要件に該当する事業者が対象になります。
  • 最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して、5%以上減少、またはこれと同様の状況にある事業者
  • 業歴が3ヶ月以上〜1年1ヶ月未満の場合は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している事業者
    1. 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高
    2. 令和元年12月の売上高
    3. 令和元年10月~12月の平均売上高
窓口  商工中金|特別相談窓口
詳細  商工中金HP

特別利子補給制度(実質無利子)

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「新型コロナウイルス対策マル経融資」、商工中金の「危機対応融資」により借入を行った中小企業者等のうち、売上高が急減した事業者などに対して、利子補給が実施されています。

名称  特別利子補給制度
内容  利子補給期間:借入後当初3年間
 補給対象上限:下記のとおり
 (日本公庫等)中小事業1億円 / 国民事業3,000万円
 (商工中金)危機対応融資1億円
対象  次のいずれかの要件に該当する事業者が対象になります。
  • 日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「新型コロナウイルス対策マル経融資」、商工中金の「危機対応融資」により借入を行った中小企業者等のうち
    1. 個人事業主(事業性のあるフリーランス含む):要件なし
    2. 小規模事業者(法人事業者):売上高▲15%減少
    3. 中小企業者(上記1、2を除く事業者):売上高▲20%減少
窓口  日本政策金融公庫|事業資金相談ダイヤル
詳細  日本政策金融公庫HP

2.持続化給付金

新型コロナウイルス感染症拡大で大きな影響を受ける事業者に対し、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える「持続化給付金」が支給されます。(令和2年度補正予算の成立が前提)

名称  持続化給付金
内容  法人200万円以内 / 個人事業主等100万円以内
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
  • 中堅企業・中小企業・小規模事業者・フリーランスを含む個人事業者等、その他各種法人等で、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している事業者
窓口  中小企業 金融・給付金相談窓口
詳細  中小企業庁HP

3.雇用調整助成金(特例措置)

景気の変動や産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が一時的な雇用調整(休業・教育訓練・出向)を実施することで従業員の雇用を維持した場合に助成されるのが「雇用調整助成金」です。今回、新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急対応として助成対象の事業者や助成率を拡大し、申請に必要な書類を簡素化するなど、特例措置が実施されています。

名称  雇用調整助成金(特例措置)
内容  休業手当の4/5を助成など
対象  2020年4月1日〜6月30日まで(緊急対応期間)の休業に適用。助成率は中小企業の場合は4/5(大企業は2/3)。通常の支給限度日数は1年で100日だが、緊急対応期間に実施した休業は別枠で利用可能。パートやアルバイト(学生も含む)なども対象になる。
窓口  各ハローワークおよび労働局
詳細  厚生労働省HP

4.補助金

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者に対して、「ものづくり・商業・サービス補助」「持続化補助」「IT導入補助」などの補助金が交付されます。今回は「通常枠」に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により「特別枠」が設けられています。

ものづくり・商業・サービス補助金

新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資等を支援する補助金です。

名称  ものづくり・商業・サービス補助金
内容 【通常枠】補助上限:1,000万円(補助率中小1/2・小規模2/3)
【特別枠】補助上限:1,000万円(補助率中小2/3・小規模2/3)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
  • 新型コロナ感染症の影響で海外からの部品調達が難しくなった事業者が、自前で部品調達をするために必要な設備を導入するなど、物流の滞りによる影響を受けた事業者(新型コロナウイルス関連の「特別枠」を新設。これまで中小企業で1/2、小規模事業者で2/3だったものを一律2/3に引き上げ)
窓口   ものづくり補助金事務局サポートセンター
詳細  中小企業生産性革命推進事業HP

持続化補助金

小規模事業者の販路開拓等のための取組を支援する補助金です。

名称  持続化補助金
内容 【通常枠】補助上限:50万円(補助率2/3)
【特別枠】補助上限:100万円(補助率2/3)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響でインターネット販売の強化やデリバリーサービスの導入など、有効と思われる対策を取る小規模事業者
窓口   全国商工会連合会 or 日本商工会議所
詳細  中小企業生産性革命推進事業HP

IT導入補助金

事業継続性確保の観点からITツール導入による業務効率化等を支援する補助金です。

名称  IT導入補助金
内容 【通常枠】補助上限:30~450万円(補助率1/2)
【特別枠】補助上限:30~450万円(補助率:2/3)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークの導入など業務効率化ツールなどのIT関連を投資する事業者
窓口   一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
詳細  中小企業生産性革命推進事業HP

5.支払猶予(税・社会保険料)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により企業が負担する国税、地方税、社会保険料(厚生年金)について1年間の納付猶予を認める特例が設けられました。(個人事業主も国民健康保険や国民年金に保険料徴収の猶予制度があります。国保の保険料の徴収猶予期間は自治体ごとに異なるがおおむね6ヶ月~1年です)

納付猶予の手続きについては国税は管轄税務署、地方税(県税・市町村税)は管轄県税事務所・各市町村、社会保険料(厚生年金)は管轄年金事務所で受付しています。

参照

6.その他

他にも今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて様々な経済支援策が用意されています。以下、中小企業・個人事業主が注目すべきおもな経済支援策をご紹介しておきます。

自治体独自の支援策

国の緊急事態宣言を受けて地方自治体による支援の動きが広がっています。支援内容は地方自治体により異なりますが、外出自粛で全国の事業者が危機に立たされる中、宅配やテイクアウトを始める店舗や休業要請に応じた施設などに経済支援策が用意されています。都道府県・市町村など各自治体の支援策については中小企業基盤整備機構が運営する情報発信サイト「J-Net21」にて紹介しています。

 J-Net21 新型コロナウィルス関連(都道府県別)

東京都の支援例

名称  感染拡大防止協力金
内容  50万円(2店舗以上有する事業者は100万円)
対象  次の要件に該当する事業者が対象になります。
  • 都が休業を要請する対象施設で要請や協力依頼を受け、全面的に協力する事業者
窓口   東京都緊急事態措置等・感染拡大防止協力金相談センター
詳細  「東京都感染拡大防止協力金」について

小規模企業共済制度の特例措置

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業績が悪化した「小規模企業共済制度」の契約者には「特例緊急経営安定貸付け」の特例措置があります。

名称  特例緊急経営安定貸付け
内容  借入額:50万円~2,000万円
借入額が500万円以下:無利息 / 4年
借入額が505万円以上:無利息 / 6年
対象  次の要件に該当する契約者が対象になります。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業績が悪化したことにより、1ヶ月の売上高が前年又は前々年度の同期と比較して5%以上減少した貸付資格を有する契約者
窓口  中小企業基盤整備機構|共済相談室
詳細  新型コロナウイルス感染症にかかる小規模企業共済制度の特例措置について

ビル賃貸事業者向けの支援策等について(国土交通省)

国土交通省でも新型コロナウイルスの影響で売上が減少したテナントの賃料負担を減らすための支援策を発表しています。飲食店などの事業者がテナントとして入っている賃貸ビル等の所有者がテナント賃料について減額や猶予に応じた場合、賃貸ビル等の所有者を対象に法人税や社会保険料の猶予、固定資産税の減額や免除が実施されます。

 ビル賃貸事業者の皆様へ ~新型コロナウイルス感染症に係る支援策~
 テナント家賃の支払いを支援する制度(テナント向け支援)

なお、新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者に対する経済支援はここでご紹介した以外にもいろいろあります。経済産業省が公表しているパンフレットが参考になりますのでご確認ください。

 新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ

まとめ

新型コロナによる緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受けて、多くの営業マンが営業スタイルの変革を余儀なくされています。政府によるテレワークや外出自粛の要請に伴って今、従来のような訪問型の営業活動が難しくなっているからです。

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