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ダイレクトメール再送の法則 ― 同じリストに同じDMを5回送るとどうなるか?

今回はダイレクトメールにおける「科学」をご紹介します。この「科学」を知っておくことで、ダイレクトメールの効果を最大化することができますので、ぜひ覚えておいてください。

実はダイレクトメールには“ある法則性”があります。それが、【再送の法則】です。【再送の法則】とは、1回目(初回発送)のレスポンスを「100」とすると、2回目(再送)のレスポンスはおよそ「50」、3回目(再々送)以降のレスポンスはおよそ「30」に収束する、という数値データです。

例えば、2,000通のダイレクトメールを同じリストに送った場合はこうなります。

  • 1回目 … 100件のレスポンス(5%)
  • 2回目 … 50件のレスポンス(2.5%)
  • 3回目以降 … 30件のレスポンス(1.5%)を維持

経験上、この法則はそれなりの精度で的中します。その根拠となる弊社のプロモーション事例を公開します。この事例を参考にして、ぜひあなたもダイレクトメールの効果を最大化してください。




同じリストに同じDMを5回送るとどうなるか?

これは以前、弊社が全国の社労士を対象に実務教材を販売したときの話です。対象リストは7,610件。商品価格は10万円と高額だったので、次のようにツーステップで通信販売することにしました。

  1. まずは無料小冊子をオファーにしてFAXDMで集客する
  2. そうやって集客した見込客に郵送DMで商品をセールスする

4ヶ月というスパンを空けて、このプロモーションを計5回実施しました。いずれも同じ対象リスト(7,610件)に同じDMを送っています。次のとおり、その結果は概ね【DM再送の法則】どおりになりました…

回数 集客数 注文数
1 118件 29件
2 68件 16件
3 34件 7件
4 31件 5件
5 27件 6件
合計 279件 63件

1回目のプロモーションで郵送DMの成約率は20%だと分かりました。FAXDMで10件集客すると2件は注文に至る計算です。その結果、計5回のプロモーションの総売上は630万円(商品価格10万円×63本)。対して、経費は36万円(FAXDM送信費28万円+郵送DM発送/印刷費8万円)。最終的に残った利益は594万円でした。2回目以降は同じことを繰り返すだけ。悪くないプロモーションです。

ここで着目すべきは3回目以降の集客数です。1回目のプロモーションの集客数がもっとも多いのは当然として、ふつうなら回数を重ねるたびにレスポンス率は下がると考えるでしょう。ところが、ダイレクトメールではそうはなりません。3回目以降の集客数はほぼ横一線で維持されるのです。

「利益率」と「利益額」、大事なのはどちらか?

同じリストに、同じDMを5回送る。このようなプロモーションを実践している営業マンや企業は少数派でしょう。DMは送付回数を重ねると“儲からない”と考えているからです。しかし、【DM再送の法則】を知っていると、そうは考えません。利益が残る限り、同じプロモーションを続けようと考えます。

その方が「利益額」を最大化できると分かっているからです。先の事例でいうと、1回目のプロモーションでやめてしまえば売上は290万円で終わり。残り340万円の売上機会をロスしたことになります。ダイレクトメールの「利益率」だけにこだわるのはアマチュアです。「利益率」が高くても「利益額」が少なければ意味がありません。やはりビジネスで重要なのは「それでナンボ儲かったのか?」でしょう。

まとめ

今回ご紹介した【DM再送の法則】はFAXDMや郵送DMなどのオフラインだけでなく、メールDMなどのオンラインにも当てはまります。【DM再送の法則】を知っていると、ダイレクトメールの利益を予測できるようになります。ぜひあなたの営業活動でこの「科学」を活かしてください。