法人営業を行ううえで必須となるのが「営業リスト」です。確度の高い営業リストをより多く集めることが、成果を左右します。いかなるビジネスでもその営業プロセスは「新規開拓」「セールス」「フォローアップ」の3つですが、営業リストなしではそれらのプロセスを実行できないからです。
そこで今回から2回に分けて「どうやって営業リストを集めればいいのか?」「いかにして集めたリストを成果につなげればいいのか?」という営業マンの疑問にお答えします。
2種類の営業リスト~「コールドリスト」と「ハウスリスト」
まずは言葉を定義しておきましょう。営業リストには大きく「コールドリスト」「ハウスリスト」という2種類があります。それぞれの違いは次のとおりです。
営業リスト | コールドリスト | ハウスリスト |
リスト種別 | 白地リスト / アプローチリスト | 見込客リスト / 顧客リスト |
リスト用途 | 新規開拓 | セールス / フォローアップ |
コールドリストとは
いわゆる、「白地リスト」のことです。「アプローチリスト」ともいいます。「コールドリスト」はそれまであなた(自社)とまったく接点のなかった法人(個人)です。ここから飛び込み、テレアポ、DM、FAXDMなどの手法を使って見込客を新規開拓していきます。
ハウスリストとは
いわゆる、「見込客リスト」や「顧客リスト」のことです。「コールドリスト」と違って、過去にあなたと接点のあった法人(個人)ですからセールスやフォローアップの反応率は高くなります。「ハウスリスト」はビジネスで“もっとも重要な資産”です。その数がビジネスの成功を決定づけることになります。
営業プロセスの全体像
両リストの関係を図にすると、こうなります。ご覧のとおり、「白地リスト」を「見込客リスト」にするのが新規開拓の役割です。そうやって集めた「見込客リスト」を今度はセールスとフォローアップによって「顧客リスト」にするわけです。この一連の流れを営業プロセスと呼びます。
このように考えると、「新規開拓」「セールス」「フォローアップ」という3つの営業プロセスの全体像が見えてくるのではないでしょうか。次に「コールドリスト」の作り方・集め方を見ていきましょう。
多くの営業マンにとって新規開拓の悩みは「訪問先がない」「訪問しても見込みがない」の2つが大半です。これら2つの悩みを解決するには営業スキルやテクニックを磨くことも大切ですが、1番の解決策は「会う人を増やす」ことです。そこで重要になってくるのが、「コールドリスト」の作り方・集め方です。
以下、確度の高い「コールドリスト」を大量に確保するための7つの方法です。
ポータルサイトから集める
WEB上には業種・業界別のポータルサイトがたくさん公開されています。例えば、飲食業なら「ぐるなび」、美容関係なら「ホットペッパービューティー」などがそうです。ポータルサイトはたいてい都道府県別・市町村別で事業者が掲載されています。もしあなたがターゲットにしたい業種のポータルサイトがあれば、そこから営業リストを作ることが可能です。
業界団体リストから集める
業種・業界によっては全国組織や都道府県別の単位会があるケースがあります。例えば、建設業なら全国組織として「全国建設業協会」などがあって、その下部組織として「市町村建設業協会」などがあり、それぞれホームページを公開していることがあります。もしあなたのターゲット業種・業界の単位会がホームページを公開していたら、チェックしてみてください。
ハローワーク求人情報から集める
ハローワークに求人情報に掲載している企業から営業リストを集めます。普段、求職活動でもしていない限り、ハローワークのホームページにアクセスする機会はないかもしれません。しかし、ハローワ ークのホームページは貴重な情報源になります。電話番号・FAX番号・代表者名も掲載されているので、様々な手法で新規開拓できる営業リストになります。
行政機関の公開情報から集める
許認可・届出が必要な事業では行政機関によって事業者を公開しているところがあります。例えば、厚生労働省管轄の介護事業者は「介護サービス情報公表システム」で事業者情報を誰でも閲覧できます。もしあなたのターゲットにしたい業種・業界が許認可・届出が必要な事業なら行政機関のサイトをチェックしてみるとよいでしょう。
まとめ
以上、コールドリストの作り方・集め方をご紹介しました。あなたのターゲットによって営業リストの作り方も変わってきます。ここで挙げた7つの方法をセールス環境に応じて取捨選択してください。そうやって「コールドリスト」を確保したら、次にやるべきは「コールドリスト」を「ハウスリスト」に変える作業です。具体的には、「コールドリスト」の中から見込客を探して、それらを“リスト化”していくわけです。
いずれにしても、です。「コールドリスト」を用意しても、それを「ハウスリスト」にしなければ売上にはつながりません。「ハウスリスト」を集める最大のポイントはあなたの商品・サービスではなくて(×)、見込客の悩みや問題にフォーカスする(○)ことです。ぜひ以下の記事も併せてお読みください。