法人営業で使うダイレクトメール(以下、DM)の開封率を引き上げる方法をご紹介します。どれだけ優秀なDMでも読まれなければレスポンスは期待できません。しかし、法人営業ではDMを送っても、狙った相手(社長など)に見てもらえない問題が発生します。その前段階でスタッフ(事務社員など)に捨てられてしまうケースが多いからです。
そこで今回はDMを狙った相手(社長など)に確実に届ける秘策を伝授します。かなりゲリラ的なノウハウですが、これまでに数十万通のDMを送ってきた経験からその効果は保証します。これまでDMを送っても反応がイマイチだったなら、もしかすると読まれる前に捨てられていたのかもしれません。
ここでご紹介する5つの方法をぜひ試してみてください。
DMが届くと誰もが確認する3つのポイント
ダイレクトメールが届くと誰もが確認するポイントが3つあります。まず最初に封筒を手にします。そして次のような順番でその封筒を確認していきます。
- 封筒の宛名を確認する
- これは何のDMなのかを確認する
- DMの発信者を確認する
通常、この3つの確認プロセスを経てそのDMの運命が決まります。つまり、そのDMを開封して読んでみるか、あるいは、読まずにゴミ箱に捨てるか、です。
ここに重要なポイントが潜んでいます。DMの「封筒」だけは中身に興味があろうと、なかとろうと、誰もが目にするということです。DMの中で封筒は見込客から唯一見てもらえる重要なパーツです。にもかかわらず、意外と軽視されているのもまた封筒なのです。
先述のとおり、法人営業にDMを活用する場合は必ずしも狙った相手(社長など)が受け取って読んでくれるわけではありません。中身がいくら優秀であっても、その前段階でスタッフ(事務社員など)に「不要」と判断されたらゴミ箱に直行だからです。となれば、封筒の役割はたった1つ。スタッフ(事務社員など)のレーダーを突破して、狙った相手(社長など)に確実に届けてもらうよう仕向けることです。
具体的には、狙った相手(社長など)に届く前に捨てられる事態を回避するため、DMの封筒を工夫するのです。その際の重要ポイントは次のとおりです。
では、どうすればそれができるのか?
DMを「私信」に見せる
ズバリ、DMを「私信」に見せるのです。個人事業主や1人社長の会社であればDMを送るだけで、とりあえずは見てもらえる可能性があります。本人が受け取って中身を開封するからです。しかし、多くの会社では「社長宛に届いた郵送物」はまずスタッフが中身をチェックしています。弊社もそうです。
そのような状況で”見るからに売込みのDM”を送れば「どうなるか?」は容易に想像できるでしょう。まず狙った相手(社長など)にはDMは届きません。その一方で、例えば社長が男性で、DMの差出人には女性の名前が書かれているだけだったらどうでしょう。
おそらくスタッフには【社長のプライベートの手紙=開封したら怒られる】という心理が働くはずです。実際そうやって効果的にDMを送っている方々がいます。そう、「水商売」と呼ばれる業界の方々です。
以下、DMを「私信」に見せる具体的方法です。
方法1.宛名を手書きにする
これは初歩の初歩です。宛名シールで送られてくる「私信」などないからです。DMの発送件数が大量になる場合は「筆まめ」「筆王」などの年賀状ソフトを利用する。あるいは、ネットを検索すると、無料でダウンロードできる「手書き風フォント」がいろいろヒットします。そうしたフォントを利用して宛名を手書き風に見せるという手もあります。
方法2.切手を貼る
切手を貼ることで「私信」っぽさを演出できます。通常、DMではメール便や料金後納郵便が圧倒的多数だからです。ただし、切手を貼って送るDMは1通当たりの郵送コストがメール便や料金後納郵便より高くつきます。ピンポイントで「ここぞ!」というときに使うのがよいかもしれません。
方法3.手書きで「ひと言」添える
手書きでひと言添えるだけで「私信」らしく見えます。例えば、封筒の余白に次のようなひと言を添えるのです。すると、封筒に書かれたこのひと言を見て、スタッフは「社長の知り合いからの手紙かも?」と勝手に誤解してくれるというわけです。
方法4.シャチハタ印を押す
これは【方法3】と併せると効果的です。例えば、次のように封筒の余白に手書きでひと言添えて、さらに担当者印を押すわけです。ちなみに、ここで書かれている手書き文字は”印刷”で、担当者印だけを後でまとめて押印したものです。こうすればDM送付件数が大量になっても対応できるようになります。ある程度のまとまったDMを送るならぜひ参考にしてください。
方法5.あえて無地で送る
これは、もっともシンプルで、それでいて効果的な方法です。茶封筒あるいは白封筒の表面には手書きで書いた宛名を、裏面にはあなたの名前だけを記載する。先の水商売の方々の手法です。あれこれ封筒に意匠を凝らすより、実はこれがもっとも「私信」に見える方法だったりします。
まとめ
DMというと、反応が取れるキャッチコピーやセールス文章の書き方などに関心が向かいがちです。しかし、それらにいくら習熟しても、送ったDMが狙った相手(社長など)に読まれなければ”絵に描いた餅”になってしまいます。そうならないためには【スタッフ(事務社員など)の開封率を下げて、狙った相手(社長など)の開封率を上げる】ことが重要です。
ぜひここでご紹介した5つの方法を参考にしてください。